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イベント化する祭り  地元【土崎港曳山祭り】

 

生まれ育った土地の「土崎港曳山祭り」が2017年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。

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うれしいことですね。

 

行政としては観光客を増やす武器にするでしょう。

 

人口減少が問題となっている我が秋田県にとって、観光客が増える工夫をするのは良いことです。

 

国道沿いに【土崎みなと歴史伝承館】という建物もできました

 

国道から曳山が見えるんですよ!

 

【食の芸能大祭典】称したイベントに土崎港祭りをはじめ、県内各地の祭りが出張しているようです。

www.dochaku.com

 

秋田県を盛り上げるという目的からすれば良いことです。

 

僕もそういったイベントはどんどんやっていくべきだと思います。

 

イベントがたくさんあると楽しいですしね。

 

ですが、イベントと祭りは違います。

 

観光客に向けていくほど、それは祭りではなくイベントになっていきます。

 

出張した曳山は、”祭りの一部”ではなく”観客に見せるための出し物”になってしまいます。

 

本来の祭りは、地元民が生み出す祭り空気をともなっていて、もっと土着的でローカルなものです。

 

担い手が減っていき、祭りとしての存続が危ぶまれると行政や外部から守ろうという人たちが集まります。

 

一見良いことのようですが、祭りの当事者にとっては迷惑になるケースもあるようです。

※土崎港祭りがこのケースだとは思ってません。

 

 

人が少ないと廃れるというのは自然な流れ。

 

外部から応援されるのはいいけど、そもそも人が少ないので維持するのが大変。

 

地元住民はやめたいと思っているのに、外部がそれを許さないという場合もあるんです。

【カミの現象学―身体から見た日本文化論】には具体的なケースが書かれています。その他、身体を通した祭りの考察が興味深い内容となっています。

 

 

土崎港祭りはまだまだ廃れる段階ではありません。

 

ですが、僕が子供の頃よりは曳き子や携わる人が少ない。

 

地元の高校生の課外授業として曳き子ボランティアを招いたり、これから先は祭りを維持するために周りからの力添えが増えていくと思います。

 

良くも悪くも外からの影響で、祭りの本質、その土地に根付いた祭りの空気が消えていってしまうんです。

 

では、廃れていく祭りをどうやって存続していくべきなのか。

 

①イベント化していって形だけを残していく。

 

②自然と廃れていく。

 

2つに1つです。

 

僕自身、土崎港祭りが大好きですし、田舎のコミュニティにとっての祭りの大切さもわかります。

 

形だけになっても残していってほしいと思っています。

 

ですが、人口減少とともに本当の意味での祭りが体験できなくなっていくのは残念です。

 

もしかすると、100年前の土崎港祭りを愛する人々も、僕と同じことを思っていたかもしれませんね。

 

 

なんだかネガティブな奴だな、って思われたかもしれませんが、こんな記事も書いています↓

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