三度の飯と、考えごと

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【「あきたの文芸」を狙え】秋田の小説家志望はチャンス

こんにちは。
第49回「あきたの文芸」小説部門 最優秀賞受賞者です。

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と、このように、「あきたの文芸」を受賞するとドヤれるわけです。

この記事を、
なんでもいいから実績がほしい。自分の力を試したい。

という、当時の僕と同じ”秋田の小説家書き”に贈ります。


あきたの文芸とは

事業開始年度 昭和43年度
第十回秋田県芸術祭の一環として、昭和43年に第一回秋田県文学祭を開催しました(秋田県教育委員会主催、秋田県芸術文化協会共催)。
この文学祭を期に文学作品を募集したのが現在も続く「あきたの文芸」のスタートとなりました。
昭和43年度は、短歌211首、俳句2610句、川柳770句の応募があり、各部門7名の審査員により入選作品31名を選出し、「昭和43年度秋田県文学祭入選作品集」として刊行されました。
以来、昭和49年度に現在の「あきたの文芸」に名称を変更したり、募集作品部門の追加や受賞部門名を変更したりしながら、現在に至っております。

 

募集概要※2020年第53集

募集期間
令和2年6月1日(月)~8月31日(月)(当日必着)

 

応募資格
秋田県内に居住又は勤務(通学)の方
秋田県出身の方(過去に1年以上居住したことがある方を含む)
秋田県内の文芸団体に所属する方
いずれも満16歳以上の方(令和2年度中に16歳になる方を含む)

 

募集作品
小説・評論、詩、短歌、俳句、川柳、エッセイ
全6部門 投稿料1000円(学生は学生証のコピー添付により投稿料無料)

 

表彰式
令和2年11月17日(火) 秋田県庁 第二庁舎8階 大会議室(予定)

 

過去には、詩壇の芥川賞とも呼ばれる第68回H氏賞を受賞された十田撓子さんが、誌部門の上位入賞常連だった時期もあります。
小説部門では、第一回ふるさと秋田文学賞受賞者の児玉ヒサトさんも入賞していますね。


受賞の難易度 応募者数


「あきたの文芸」には、4つの栄冠があります。

 

最優秀賞

奨励賞

入選

グリーン賞(満16歳~満25歳が対象)


25歳以下の方であれば、グリーン賞以上の受賞は約束されたようなものです。
難易度が分からなかった当時の僕もこの賞を狙っていました。

ある程度物語の体をなしている作品であれば、奨励賞も十分射程内だと思います。

なぜか。

競争率が極端に低いからです。

冒頭で受賞をドヤッったものの、実は僕が応募した2016年の小説部門の応募者は7人くらい(たしか…)。
7人のなかで一番になったにすぎないのです。

それでも、受賞は受賞ですからね。
今まで「一応、秋田県文学賞で最優秀賞だし」と、作家としての自尊心を保つために何度も活用させてもらいました。

応募者数は毎年10人前後で推移しているようです。

そして、受賞作なしの年はありません。
その年の10人程度の応募者の中で、一番良い作品を書けば優秀賞以上は確実でしょう。

ここで、少しイキりますが、最優秀賞はなかなか出ません。
2014年〜2021年の8年間で、最優秀賞は僕だけです。
審査員全員から高得点をいただき、ある審査員の講評では「自分が審査員になって初めて最優秀賞を出した」と書かれていました。

ちなみに、前回の最優秀賞者は、第一回ふるさと秋田文学賞受賞者の児玉ヒサトさんです。

blog.livedoor.jp


応募の注意点

四〇〇字詰め原稿用紙の場合は30~50枚

PC出力の場合は『A4用紙』に20行×20字で印字30~50枚

と、要項にあります。
僕はこれを、なぜか読み間違え(どう読み間違えたのかは忘れてしまいました)、規定を大幅にオーバーしたものを送付してしまいました。
何しろ初応募だったもので…。
それ以来、募集要項は舐めるように見ています。

規定に即していないのにもかかわらず受理いただけたのは、親切な担当者さんのおかげです。

わざわざ、「要項を読み間違えてますよー」という連絡をくれたのです。
普通の文学賞ならあり得ませんよね。
「規定に則していない。ボツ」で終わりです。

二日後までに再送付してほしい、と言われ、仮病を使って二日間会社を休み、大幅にカットしました。
このようなうっかりは、そうそうないと思いますが、皆さまご注意ください。

あと、テーマの指定はありませんが、やっぱり秋田を題材にしたほうが審査員も推しやすいと思います。


さいごに

「あきたの文芸」のホームページには、下記の文言が載っています。

「あきたの文芸」は、県民の創作意欲の高揚と文芸活動の普及振興を図るため、毎年度広く県民(県外の県出身者を含む)から文芸作品を公募し、掲載刊行しています。

「あきたの文芸」について | 美の国あきたネット


しかしながら、その知名度はほとんどありません。
一般の方はまず知らないでしょう。
僕も図書館にあったポスターでたまたま見つけました。

もちろん、小説書きのなかには、他人の評価を気にせず書いている人や、秋田県の枠にとどまらず中央の賞へ挑戦し続けている人もいるでしょう。

僕も作家として大成したいと思っていますが、それまで客観的な評価を全く得られないのはしんどいと思いました。

その第一歩が「あきたの文芸」でした。

僕と同じような立場の人に、「あきたの文芸」の存在を知ってもらえたなら嬉しいです。

H24以降の受賞作はホームページ上のPDFか図書館などに置いてある冊子で読めますが、僕の受賞作「無理です」はKindleで販売しています。
「あきたの文芸」は、普通の文学賞と違い著作権は作者にあるのです。


買ってくれ!とは言いませんが、もしもKindle Unlimitedに加入されている方であれば、最後のページまで読んでいただければ嬉しいです。

 

 

 

 

www.pref.akita.lg.jp


追記1

「あきたの文芸」受賞以来、途中選考や最終候補止まりでくすぶっていましたが、第23回長塚節文学賞で優秀賞をいただきました。

yuyakefish.hatenablog.com

 

追記2

 

令和4年6月4日~26日

フォンテAKITA6階

「あきたの文芸」をたどる展

 

が、開催されていました。

 

フォンテで用を済ませ、なんも知らずに「6階で何か展示されてっかなー」と見に行ったら自分の作品が全文掲示されてました。

貴重な体験!笑

 

6年前の作品だったので、登場人物の名前すら覚えてませんでした。

 

帰宅後、久しぶりに再読したら、今は理屈を理解してるアレコレを、完全に感覚でやってましたね。

当時も感じていたことだったけど、綱渡りのようにして完成させた作品だったようです。偶然、いろいろな要素がうまくハマってたんですねえ。